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【温故知新】麻糸つむぎ体験をしてきました【布衣風衣】千葉県君津市

千葉県君津市にある染織伝承館『布衣風衣』。自然豊かなこちらの施設で昔ながらの麻糸作りができると知り、体験に行ってきました!

織や染の技術と想いを継承する

染織伝承館

館長の渡辺一弘さんは、日本の暮らしの中で続いてきた染めや織などの技術が消えつつあることを憂い、伝承館を立ち上げられたそうです。千葉県では珍しい急勾配の合掌造は、雪深い新潟県の地から運んできて再建したのだとか。

染織伝承館今から約30年ほど前、奥様の豊子さんと共に、麻の種蒔きから織に至るまでの技術がよく残っていた福島県大沼郡昭和村に着目され、とりわけ名人と云われていたおばあちゃんの作業の様子を取材し、映像で記録されました。種から麻織物ができる一連の工程を、名人一人で行う様は一見の価値ありです。

麻糸つむぎ体験

麻糸つむぎ体験の様子体験では、外皮が取り除かれ繊維部分が表れた麻の束を使いました。米ぬかを揉みだした液に浸け脱水し、揉んで柔らかくしていくと、上の写真のように縮れたソバージュのようになります。それを裂き、繋いでいく作業は、指先でひねって繋げていくだけで簡単かと思いきや、細すぎたり繋ぎが甘かったりしたところが多かったのか、この後の撚りの工程でプツプツと切れてしまいました。

麻糸つむぎ体験の様子ようやく出来上がった糸は数m分にも満たない量ですが、やりがいと達成感を味わうことが出来ました。

最も歴史の古い繊維が「麻」

歴史は古し麻の着物木綿以前の時代は、庶民が身につける一切のものが麻をはじめとした草木布であったといいます。糸作りは、人々の生活の一部だったのだと、体験を通して体感することが出来ました。興味のある方はぜひ実際に体感されてみてはいかがでしょうか。

施設のご紹介

染織伝承館

染織伝承館『布衣風衣』

〒292-1145  千葉県君津市糸川424

https://www.fuifuui.com/


※麻と云っても様々な種類があり、糸を作る工程もそれぞれ異なります。現在Cotolierで取り扱っている麻のカーテン生地は、亜麻(リネン)や苧麻(ラミー)が主で、ご紹介した作業工程とは異なります。