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【繊維の話】身近な天然繊維「綿」のいいトコご紹介します【コットン・綿花】

綿(コットン)は紀元前2500年くらいから作物として栽培されていたという記録が残っており、非常に長きにわたり生活に欠かせない繊維として扱われてきました。

本日は5(コッ…?)10(トン…?)の日にちなんで綿の良いところを少し詳しくご紹介します!

5月10日はコットンの日

コットン繊維の原料綿花

私たちの生活に最も身近な天然繊維「綿(コットン)」は紀元前2500年くらいから作物として栽培されていたという記録が残っており、非常に長きにわたり生活に欠かせない布として扱われてきました。 本日は5(コッ…?)10(トン…?)の日にちなんで綿の良いところを少し詳しくご紹介します。

肌触りが良い

綿の良いところは何と言っても肌触りがいいこと。 繊維の表面に1cmあたり80~120個の天然のよじれがあり、 これにより柔軟性や軽やかな膨らみが生まれています。 また、顕微鏡でよーーーーく見ると、繊維の先端が丸くなっていて、 素肌で触れてもチクチクしないようになっています。 帯電性が低い為、化学繊維でよく起こる静電気のパチパチも防ぎます。

呼吸で空気を快適にする

繊維に吸放湿性があり、服にしてもカーテンにしても、周囲の湿度を一定に保つ効果があります。 夏には汗や湿気を吸湿・発散して快適な着心地や空間を実現してくれます。

断熱材の役割も

これまた繊維をよーーーーーーく分析すると、繊維の内部が中空になっており、 この中空部が空気を含んで断熱材の役割をします。 実はこの部分、成長期に綿花に養分を運んでいた管のような部分で、ルーメンと呼ばれます。 生きた天然繊維ならではの構造で、これを模倣して疑似ルーメンをつくった合繊繊維なども開発されています。

洗っても強い

身近な繊維製品ほどガンガン洗いたいモノ。 綿は水にぬれると強度が増し、気軽に洗濯できます。 また、熱にも強くアイロンも気兼ねなくかけられます。 だからお洋服には綿が使われることが多いんですね。 ただし水にぬれると多少縮んでしまうのですが、 レーヨンや絹などと違い水で繊維が劣化することは少ないのです。

減り続ける綿の生産量

…などなど! さすがに、人間と長いつきあいがあるだけあって非常に使いやすくて頼もしい存在です。

近年、繊維全体における綿の生産比率は少しずつ減少しており、 2004年には約50%弱でしたが、現在では約30%程度となっています。!合成繊維・半合成繊維に押されがちなのが現状です。

特に日本のカーテンでは、ポリエステルと比べて

・耐光堅牢度が低い(色あせしやすい)

・洗濯時の縮みが大きい

などの理由によって 年々生産量が減り、いまではほとんど使われなくなっています。 それでも、上に書いたように実は生活に嬉しい機能も満載な「綿・コットン」。 呼吸をし、季節の移ろいをともに楽しめる人間の相棒として見直してみてはいかがでしょうか。


※2018年10月現在、Cotolierでは綿素材と同じ天然繊維の「麻」を中心として取り扱っています。麻は綿とは違い植物の茎から取れる繊維で、さらに歴史が古く丈夫な素材です。綿も麻もそれぞれ特徴があり、どちらも化学繊維には無い魅力がいっぱいです!